芸術新潮12月号

芸術新潮での連載はこの12月号で最終回となります。全32回3年弱に渡る巻頭連載、お読みいただきありがとうございました。

最終回に何を取り上げるか迷いに迷いましたが、人がそこに生きていた痕跡としての手書きの魅力を内包しながらも最も生活の中で着目しないであろうトイレのチェック表を取り上げました。

いつか芸術新潮に寄稿出来るような作家に、と中学生の頃から夢を抱いていたものの、齢40にしてお話をいただき、責務の重さに当初戸惑いました。しかしお声がけ下さった編集の皆様の意図を自分なりに考え、常日頃より思っていた手書き文字に対する想いを多角的に発信する場とさせていただき、拙い写真と文章で寄稿してきましたが、毎月ベストを尽くす事が出来たので今はなんだか心がスッキリとしています。

幼少より書に携わり、今も作品制作と並行して実用を主体とした書道教室、ロゴや題字等クライアントさんとの仕事もさせて頂いている為、これからも心技体を胸に、徹底した技術鍛錬を続け自らの思いとそれぞれの想いの具現化に努めていきます。そしてまだ見ぬ書の向こう側を夢見て日々を過ごしています。書店の書道コーナーを訪れると美文字を謳った美文字では無いテキストが乱立し、ジャンクフードのような書が氾濫する昨今、人間の最も純真無垢な一面が自然と表出した書の素晴らしさを見る事、創る事の楽しさをこれからも発信していきたいと思います。

改めてこの場をお借りし、長い間お読みいただきありがとうございました。